森の中を進み続けて数時間・・・・・
やっと出口にたどり着いたみたいだ。
ほんっっとに疲れた・・・
何だよここの森!もう絶対通りたくない・・
「ここを抜けたら騎士団の本部があるワイドエシスはすぐそこだよ!!」
「そうなのか!よし、じゃあさっさと抜けようぜ!」
あー・・早く町に着いて宿屋で休みたいな。
「待て、ロイド!!」
「ん?」
レイソルの奴、急にどうしたんだ?
突然呼びとめて・・・・
「きゃあぁっ!!」
「どうしたんだよマリス!?」
「ロイド!前!前!!」
「え・・・・って、うわああ!?!?」
あっぶねー・・・
何だよあのクモみたいなの・・・・
ただの魔物って感じじゃないよな・・
よかった・・・二人が言ってくれなかったら
俺、今頃きっとあの魔物に・・・・・・・
考えるだけでゾッとする。
「構えろロイド!来るぞ!!」
「オッケー!!」
「私は後ろから援護するね!」
そうか、マリスは陣術使いだもんな。
俺たちみたく前でバンバン攻撃ってわけじゃないのか。
「っりゃあ!こいつ、硬っ・・・うわああ!!・・っう・・!」
「ロイド!」
「大丈夫!?」
このクモみたいな魔物結構硬いぞ・・・。
それに動きも早いし・・。
俺の攻撃全然きいてないじゃん!!
いったいどうすりゃいいんだ!?
「指輪の力を使うんだ!」
指輪・・・そうか指輪!!
「サンキュー!レイソル!!」
って言ってもどうやって使えば・・?
あの時何したんだっけ・・・
確か、レイソルを助けたいと思って、力が欲しいって願ったはず・・・。
じゃあ今回も力がほしいって願ったら使える・・・・?
・・・・・・悩んでる暇なんて無い。やってみないと!
「はああああっ・・!!」
力・・・こいつを倒すための力を・・・・・!!!
「!この感じ・・・!?」
体が軽い・・?これが指輪の力・・・?
これなら、いける・・・・!
「だあああっ!!」
出せる限りの力をこめて振るった剣。
それは見事にその魔物の体に命中した。
っていってもちょっとダメージを与えられただけで、
まだまだ倒せそうな雰囲気じゃない。
これが今の精一杯・・・・なんだよなぁ・・。
前より指輪を使えてるって幹事はするけど・・・・・。
なんか、まだこの指輪にはすごい力がある気がするんだよな。
もっと強くなれるって・・・そんな気が・・・。
「ロイド、聞いてくれ。」
「何だ?レイソル?」
「俺たち三人の中で一番すばやいのはロイド、お前だ」
「うん?」
「だからその速さを生かしてやってほしいことがある」
「どんなことだ?」
「お前はしばらくの間、あの魔物のことを引きつけてくれないか?」
「いいけど・・・あとは?」
「俺が合図したら魔物から離れてくれ」
「わかった。やってみるよ」
「頼んだ」
レイソル、いったい何しようとしてるんだ?
まぁ、俺は頭使うの苦手だから、何か作戦考えてくれたなら嬉しいけど。
「よっしゃ!行くぜ!!おい、こっちだ!」
とりあえず言われたとおり、この魔物をひきつける。
「やっぱ動きが早いな。俺にとっちゃ余裕だけど!」
さっきよりも強く地面を蹴ってみる。
いつもより早く動けるからか、風を切る感じが気持ちいい。
「あ、コラ!お前の相手は俺だろ!」
風の感触を楽しんでいると、いつの間にかクモの魔物は二人のほうに向かっていたから
俺はあわてて攻撃して魔物の気を引いた。
まったく・・・魔物をひきつけるのもなかなか大変だな。
いつまでやればいいんだよ!そろそろ限界が近づいてきた・・・。
「よし、ロイド!離れろ!!」
「オッケー!!」
「マリス!」
「まかせて!」
マリスが何かの呪文を唱えた瞬間、あの魔物の動きがピッタリと止まった・・・?
そんな魔法もあるのか・・・・
「いくぞ、水に飲み込まれろ 水塵過龍槍!!」
レイソルがはなった技は、今までのどんなやつよりもすごい威力だった。
すげーな・・・いつの間にあんなに強くなってたんだよ・・・・。
こんなに差が開いてたなんて・・・。
水が全部なくなったとき、そこにはもう魔物はいなくて
あの技がどどめになって魔物は消えたんだって分かった。
でもなんだか・・・・・変な感じがする・・・。
「レイソルすっごーい!ほとんど一撃で倒しちゃったね!」
「いや、ロイドが引きつけてくれたからだよ。ありがとう、ロイド」
「え、いや、そんなことないって」
「とりあえず!魔物も倒せたことだし、先に進もう!」
「ほら、行くぞロイド」
「うん!そうだな」
そうだ。今はとりあえず町に付くことだよな。さっき感じた変な感じももうしないし。
あれはいったいなんだったんだろう。うーん・・・ま、いいか。
よし。何も変じゃない。いつもどうりだ
俺は自分にそう言い聞かせた。
そう信じていたかったんだ―――――――。