ズル休み〜ダブルドライブ編〜







≪俺、剣城のこと好き。だから、付き合ってよ!≫

そういわれたのはいつだっただろう。
確か…帝国学園との試合が終わった辺りか………?
ちょっと前まで敵だった相手…しかも男。
そんな俺を好きになるなんて馬鹿な奴だと思った。
そのときは付き合う、といったが……
でも俺は本当にあいつのことが好きなのか?
あいつも本当に俺のことが好き?
よくわからない。自分のことなのに………

「こんにち――――」
「浜野先輩聞いてくださいよ!」
「なに?まあお前のことだから言うことはしれてるっちゅーか…」

部室内から聞こえてきたのはあいつ……松風と浜野先輩の声。
とっさに出かけていた足を止める。
二人で何の話をしてるんだ?
……少し聞いてみるか。

「だって聞いてくれるの先輩くらいしかいないんですよ!」
「はいはい。わかったって。で、今日は何?」
「聞いてくださいよ!もーほんとに剣城かわいいんです!」

………は?

「ふーん。今日はなにがあったの?」
「俺、今日お弁当じゃなかったから購買にパン買いに行ったんですよ!
そうしたら剣城がいたんです。話しかけようかなーって思ったんだけどちょっとそのまま見てみることにしたんですよね。
そうしたら!剣城ってば他の人たちに負けてなかなか購買のおばちゃんにそのパン買うってことを言えないんですよ。
ずっと人だかりの外でウロウロしてて……」
「へー。あそこ昼すごいもんな」
「そうなんですよー。結局剣城、人がほとんどいなくなるまで買えなくてパンを買ったの昼休み終わる10分前くらいだったんですよね」
「なんちゅーか…意外?剣城ってもっとガンガン行くタイプだと思った」
「そうでしょ!?でもその意外なとこが可愛いんですよ!ギャップ萌え?なんていうかもう!」
「萌えちゃだめじゃね?ん?いいのか?」
「いいんです!先輩もあれを見たら絶対萌えます!」
「そーゆーもん?」
「そーゆーもんです!」

…………………
!?
な、な、な……
何を話してるんだこいつらは!?
というか松風は!!
もしかしてさっきの先輩の言いようからすると松風はここ最近ずっと先輩にこんな話を!?
というかギャップ萌えって!ありえないだろう!

「それで昨日なんですけど――――」
「松風!!!!」
「わっ剣城だ♪」

これ以上先輩に変なことを言われたらたまらない!

「おお、本人とーじょーじゃん」
「松風お前いつもこんなこと先輩に言ってるのか!?」
「え?いつもじゃないけど……ほとんど毎日?」
「それはいつもじゃないのか!?」
「え……だってしょうがないじゃん」
「なんで……」
「だって、俺剣城のこと大好きなんだもん!」
「……っ///」

こいつ……!
恥ずかしさとかないのか!?
先輩の前でありえないだろ!
きっと今、俺の顔は真っ赤だろう。
全部こいつの…松風のせいだ…!

「剣城かわいー♪
」 「うるさい!」
「ってことで先輩!俺と剣城はこれからちょっと出かけます!」
「「は?」」

俺と先輩の声が重なる。でかけるってこいつなに言って…

「ほら、行くよ剣城!」
「は!?おい、松風!!」

無理矢理俺の腕を引っ張って走り出す松風。
振り返ると浜野先輩が手を振っている。
今日は休むつもりなかったのに。
本当にこいつは…!
でも、こんなに勝手なことをされても。さっきみたく恥ずかしいことを言われても。
不思議だが本気で怒る気分にはなれない。
いや、怒ろうと思っていたのかもしれないが……
顔をみていたらなんだかどうでもよくなった。
きっとほかの奴なら絶対にならない気持ち。
これが好きってことなのかもしれないな………。



―――――――――――――――――
はい。なんだこれw
この話はほぼ私のノリでできています。
ごめんなさい。
ズル休みの天京編でした。
京天も好きですが私は天京派です!
剣城かわいいです。
天馬も可愛いんですけど、かわいい攻めでいてほしいですw
ちなみにダブルドライブというのは剣城と天馬の合体技です。
みなさんわかりました?
天京ってライバルって感じでもないし…んー…と考えた結果がこれでした。

とりあえずこれでズル休みシリーズは完結となります。
時間軸的には
DD編/先輩・後輩編→幼馴染編→釣り組編
て感じになります。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。
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